今月中旬にカナダ・ケベック市で開催された国際性感染症研究会議で、あらゆる抗生物質に耐えうる新種の淋病(スーパー変異株)が日本で発見されたという研究報告がなされたことから、日本内外に波紋が広がっている。
これは、スウェーデン病原性ナイセリア(淋菌等)研究所のマグナス・ウネモ研究員が報告したもの。京都の風俗店で働く女性から、性感染症で最も一般的な病気である淋病に、ペニシリンをはじめ、どんな抗生物質も効かない耐性をもった淋菌の変異株(新種)が発見されたという。
米ニューズウイーク誌によると、「HO41」と名付けられた淋菌のスーパー変異株。セファロスポリン系抗生物質に耐性を持っていて、ウネモ研究員は「もし感染が拡大しても適切な治療法はない」として、治療不可能な次世代の淋病で、公衆衛生上、大きな脅威になると警告している。
淋病は一般的に、感染すると排尿時に痛みがともなったり、ひどくなると膿がでる。不妊の原因になることもある。女性感染者の半数、男性感染者の数%は何の症状も出ないが、放置していれば感染が他の臓器や皮膚などに広がり、男女とも命にかかわる危険性もある。
また、このニュースを報じた米ナショナルポスト紙によると、新種の淋菌はこれまで日本や韓国で発見され、その後、世界に広まることが多いという。
米疾病予防管理センター(CDC)は今月上旬、すでにセファロスポリン系抗生物質に耐性を持つ淋病の拡大を警戒するよう、全米の医師に通知を出していた。日本の専門家の間でも「急速に拡大する恐れがある」と懸念する声が上がっており、今後の対応が注目される。