昨年1年間の新たなAIDS患者報告数は469件で、08年、09年の431件を上回り、過去最多を更新したことが5月23日、厚生労働省エイズ動向委員会の年間報告(確定値)で明らかになった。HIV感染者の報告数は1075件で前年から54件増え、過去3番目に多かった。
地域別に見ると、HIV感染者、AIDS患者共に、東京を含む関東・甲信越ブロックと近畿ブロックで全体の6-7割を占めている。一方、東海ブロックでHIV感染者が前年比55%増(124件)、AIDS患者が39%増(75件)、また中国・四国ブロックではAIDS患者が2倍(34件)と、増加が目立った。
感染経路は、HIV感染者の69.2%(744件)が同性間の性的接触、18.1%(195件)が異性間の性的接触だった。また、母子感染が4年ぶりに3件報告された。AIDS患者では、同性間の性的接触が49.0%(230件)、異性間の性的接触が27.1%(127件)。
保健所などで行っているHIV抗体検査の実施件数は13万930件、相談件数は16万4264件で、いずれも減少した。HIV感染者、AIDS患者の増加傾向に対し、無料・匿名で受けられる検査や相談の機会が十分に生かされているとは言えない現状に、同委員会では、「HIV感染の早期発見は、感染者本人の適切な治療だけでなく、社会の感染拡大の抑制にもつながる」と指摘し、利用しやすい体制整備や啓発事業を促進する必要性を強調している。